24時間体制の病棟勤務などで欠かせない夜勤には2交代制と3交代制がある。その内、3交代制は日勤・準夜勤・深夜勤に分かれており、病院によって時間の差はあるが基本的に日勤は朝から夕方まで、準夜勤は夕方から深夜まで、深夜勤は深夜から翌朝までの勤務となる。
勤務時間は残業がなければ8時間勤務と時間が固定され、時間拘束が少なく身体的な負担も少ないのがメリットだ。その半面、準夜勤と深夜勤の勤務回数が週に2~3回となり、体感的には2交代制に比べて夜勤の回数を多く感じることになる。
さらに、深夜割増賃金は22時~5時までの勤務に対して付与されるため、2交代制の夜勤よりも1回辺りの夜勤手当が少なくなるのも3交代制のデメリットと言えるだろう。

また、準夜勤と深夜勤は深夜に帰宅または出勤することになり、通勤の問題も発生する。夜勤を行える看護師が少ない場合などは、日勤のあとに深夜勤のシフトが組まれたり、準夜勤と深夜勤のシフトが早く回ってきたりするので休みが取りにくい病院もある。

総じて、3交代制は2交代制に比べてデメリットが多いように思えるが、緊急外来や重傷者が頻発する病棟では夜勤中の業務量が多いため、勤務時間が短い3交代制の方が集中力を持って勤務を行うことができるという面がある。さらに、子育て中や家庭の事情で長時間の連続勤務が難しい場合でも3交代制はきちんと8時間勤務で家に帰れるので、シフトに合わせた生活リズムに慣れれば家庭との両立もしやすい勤務体制と言えるだろう。